TikTok動画の仕様を決めるとき、「1080×1920のMP4」だけでは不十分です。ファイルがアップロードできても、UIに字幕が重なる、キャプションが未完成、音源の利用条件が投稿に合わない、予約先のアカウントが違うという事故は防げません。
2026年8月4日時点のTikTok公式ヘルプでは、TikTok StudioのWebアップロードについて、MP4またはWebM、720×1280以上、30分まで、10GB未満と案内しています。これはWebから通常投稿する際の受け付け条件で、「30分動画を推奨する」という意味ではありません。
POINT 通常投稿、Spark Ads、非Spark広告は公式の入稿画面と条件が同じとは限りません。「TikTok用」でまとめず、公開経路ごとに確認します。
この記事の目次
TikTok StudioのWebアップロード条件
| 項目 | TikTok公式の案内 | 実務上の扱い |
|---|---|---|
| ファイル形式 | MP4またはWebM | 納品前に実際のファイルを開く |
| 解像度 | 720×1280以上 | 通常は1080×1920の9:16を制作基準にする |
| 長さ | 30分まで | 上限であり、目標尺ではない |
| 容量 | 10GB未満 | 社内・外注間の転送時間と保管方法も決める |
参照: TikTok Support「Tools for creators / TikTok Studio」
720×1280は受け付け下限です。通常の制作では、文字と被写体を確認しやすく、Instagram ReelsやYouTube Shortsへの展開元にもしやすい1080×1920の9:16を基準にするのが実務的です。ただし、別媒体では音源、尺、UI、導線を改めて調整します。
30分の上限から台本を作らない
アップロード可能な最長尺は、企画の適切な尺を教えてくれません。尺は次の順番で決めます。
- 誰のどの問いに答えるか
- 冒頭で対象と結論の方向を示せるか
- 結論の根拠や実演に何秒必要か
- 視聴後にどの行動を一つ促すか
「ショート動画は15秒」「説明なら30秒」という固定値に当てはめず、完了率、平均視聴時間、コメント、プロフィール遷移など、投稿目的に対応する自社データで改善します。
通常投稿と広告の仕様を混ぜない
TikTok for Businessは広告クリエイティブについて、9:16、720p以上、UIのセーフゾー内への重要要素の配置、音声などを推奨しています。これは広告向けの案内です。
実務では次のようにファイルと検品表を分けます。
| 公開経路 | 主な確認 |
|---|---|
| TikTok Studioの通常投稿 | TikTok Supportの最新アップロード条件、キャプション、公開対象、コメント等の設定 |
| Spark Ads | 対象となる通常投稿と授権、広告プレビュー、広告ポリシー |
| 非Spark広告 | TikTok Ads Managerの対象フォーマット別仕様、safe zone、容量、尺、ランディングページ |
一つの「TikTok用納品仕様」をすべてに使わず、公開経路を先に決めてください。
UIと文字は実際のプレビューで確認する
TikTokの画面には、アカウント名、キャプション、音源、いいね、コメント、共有などのUIが重なります。キャプションの長さや機能によっても表示領域は変わります。
- 字幕、ロゴ、人物の顔、商品を上下左右の端へ置かない
- 実際のキャプションと公開設定でプレビューする
- 少なくとも一台のスマートフォンで文字と音を確認する
- 音なしでも対象と結論が追える
- ロゴや機能に見える偽のボタンを置かない
表示検品のコツ 固定ピクセルのセーフゾーンだけで完了とせず、実際の投稿データとプレビューで最終確認します。
音源・出演者・素材の権利をファイルと一緒に納品する
動画ファイルだけを渡すと、入稿担当者が公開可否を判断できません。次の情報をセットにします。
- 音源名、取得元、利用可能なアカウント種別、媒体、期間、地域
- 出演者の許諾範囲と広告転用の可否
- 写真、映像、イラスト、フォント、商標の利用条件
- 社内で確認した商品仕様、価格、募集要項の参照先と確認日
- 別SNS、Web、広告への二次利用可否
権利の詳細は企業SNS動画の著作権チェックで整理できます。
TikTok入稿前のチェックリスト
- [ ] 通常投稿、Spark Ads、非Spark広告のどれかを決めた
- [ ] TikTok Studioの場合はMP4またはWebM、720×1280以上、30分以内、10GB未満か確認した
- [ ] 最終版ファイルを開き、冒頭・末尾・音ずれを確認した
- [ ] UIと字幕、ロゴ、顔、商品が重ならない
- [ ] スピーカー、イヤホン、無音で内容を確認した
- [ ] 音源、出演者、素材、商品情報の公開可否が追跡できる
- [ ] キャプション、カバー、コメント、Duet、Stitch等の設定が企画に合う
- [ ] 対象アカウント、予約日時、タイムゾーンを再確認した
- [ ] 公開後の表示と緊急修正の担当者が決っている
よくある質問
TikTok動画は30分で作るのがよいですか
いいえ。30分はTikTok StudioのWebアップロードで公式案内される上限で、推奨尺ではありません。問いに答えるために必要な長さを、自社の投稿データで改善します。
MP4と1080×1920なら広告にも使えますか
ファイルの形式と比率が合うだけでは判定できません。対象の広告フォーマットの最新仕様、safe zone、尺、容量、広告ポリシー、ランディングページを別に確認します。
同じファイルをReelsとShortsへも投稿できますか
技術的にアップロードできる場合でも、媒体ごとに尺、UI、音源、カバー、キャプション、導線を確認します。投稿済み動画をダウンロードして転用するのではなく、透かしのない編集マスターから出力します。
公開までを制作に含める
TikTok動画の完了条件を「MP4の納品」にせず、プレビュー、公開設定、権利、予約、公開後確認まで共有します。
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